通勤に使っている鞄の取っ手が壊れた。
手持ちの所は革製で、補強のために薄い鉄板が中に入っているのだけど、使っているうちに皮と当たり突き破って出てきてしまい、手に当たる。
以前、アウトドアのメーカーで【ウルバリン】と言う所のショルダーバックを使っていてポケットが破れた事があった。
気に入っていたので何とか直せないかと買った所に持ち込んだ所、メーカーに問い合わせてみると言う。
後日返事が来て、この部分は直せない所なのでと、新しいものと交換してくれた。
『へぇ〜、きちんとしたメーカーは違う物だ』
と思い、このバックを選んだ自分も誇らしく思えたのを覚えている。
だから、今回も直せないかなと思い、色々調べて電話してみた。
今回のは【ウェンガー】。
【ビィクトリノックス】と同じくアーミーナイフで有名なスイスのメーカー。
【ビィクトリノックス】に吸収合併されたりして、日本の代理店が分からなかったりしたけど、何とか探し当てた。
日本では【エース】がサポートしているらしい。
浅草橋に本社がある。会社からも近いし、電車一本で行けるので行ってみた。
『直せます。しかし時間を下さい』と言う。
送ってくれるらしい。
一月半ぐらいかかっただろうか、
無償で直して送ってきてくれた。
製造業の、物を作る人の心意気を感じる。
この世知辛い世の中でも、きちんとした物を作っている所は、それなりの矜持があるのだろう。
晩酌の酒が、一段と美味くなった。